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調査研究・コラム

コラム

〈2026/04/01〉

顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)

子どもたちが自然の中で遊んで過ごすことの重要性 ~脳の発達と生涯に渡る好影響~

神奈川大学 渡部かなえ
神奈川大学産官学連携研究事業

 子どもたちの外遊びの時間は減少しており、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック以降、その状況はさらに悪化しています。子どもたちが自然の中で遊んで過ごす外遊びの重要性について、保育に関わる方たちには以前から認識されていますが、様々な研究データでも、子どもの発育発達にとって重要であることが証明されています(参考資料1)。
例えば、屋外での自由遊びをたくさんやっている子どもは、ウェルビーイング、主体性、自発的に行動する力が高い(参考資料2)、自然との触れ合いは子どもの脳神経系の健全な発育を促す(参考資料3)、体を動かして遊ぶことは、フロー状態(完全に没頭しながらも圧倒されてはいない状態で、脳の学習効果がピークに達する)をもたらすが、自然の中で遊ぶと、その効果がさらに高まる(参考資料4)ことが、科学的な研究によって実証されています。

子どもたちの自然体験活動を支援している団体は、全国にたくさんあります。有名なのは日本財団(参考資料5)ですが、筆者が所属する神奈川大学がある神奈川県は、首都圏ですが海も里山もあってフィールドに恵まれており、複数の機関・団体が自然の中で子どもたちが元気にのびのび遊びながら体験を通した学びを深める活動をしています。筆者も葉山の認定NPOや保育所、児童ディなどと共同研究や活動強力などで関わらせていただきましたが、上記の科学データが実証している効果を目の当たりにし、確信しました。
春が来て温かくなり、外遊びがいっそう楽しい季節になりました。ぜひ子どもたちに、自然と触れ合う機会をたくさん持たせてあげて、外遊びをさせてあげてください。

【参考資料】
1. Steph Scott, Tonia Gray, Jenna Charlton, Sharon Millard, The Impact of Time Spent in Natural Outdoor Spaces on Children’s Language, Communication and Social Skills: A Systematic Review Protocol, Int. J. Environ. Res. Public Health 2022, 19(19), 12038, https://doi.org/10.3390/ijerph191912038
2. Ellen, Beate Hansen Sandseter, Categorising risky play—how can we identify risk‐taking in children’s play? European Early Childhood Education Research Journal, 15, 237-252, 2007, https://doi.org/10.1080/13502930701321733
3. Jia Liu, Yumeng Yang, Tianjiao Kong, Ran Liu, Liang Luo, Associations Among green space exposure, brain, and mental health and cognition in the Adolescent brain cognitive development (ABCD) study, Journal of Environmental Psychology, 104, 2025, 102625, https://doi.org/10.1016/j.jenvp.2025.102625
4. Jannette Prins, Femke van der Wilt, Chiel van der Veen, Dieuwke Hovinga, Nature play in early childhood education: A systematic review and meta ethnography of qualitative research, Front. Psychol., 13, 2022, https://doi.org/10.3389/fpsyg.2022.995164
5. 日本財団, 日本財団ジャーナル, 2022.06.16, 好きになったら守らずにいられない。楽しみ、考える体験教育が「豊かな海」をつなぐ, https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2022/72296

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