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コラム

〈2026/02/02〉

顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)

5歳児健診

神奈川大学 渡部かなえ
神奈川大学産官学連携研究事業

 お誕生から小学校入学までの乳幼児が受ける健康診断には、(1)母子保健法に定められている、身体と精神の発育・発達が順調かを確認すること、病気や障害を早期に発見して治療につなげること、栄養状態の確認や育児相談・支援、そして必要な予防接種を適切な時期に受けているかを確認することを目的とした乳幼児健診(乳幼児健康診査:参考資料1)と、(2)学校保健安全法に定められている、小学校に入学する子どもたちが安心して学校生活を送ることができるよう、健康状態や発育発達状況を把握し、疾患や異常が見つかった場合は受診を促して早期治療につなげること、保健相談や保健指導を行い必要に応じて就学相談や支援体制を検討することを目的として行われる就学時健診(就学児健康診断:参考資料2)があります。前者の1歳6か月健診と3歳児健診は市区町村に実施義務があり、保健センターや指定の医療機関で実施されます。後者は翌年4月に小学校に入学する児童を対象に市区町村の教育委員会が11月30日までに実施すると定められており、学区内の公立小学校で10月から11月に実施されます。
 この2つ以外に、近年、まだ一部の自治体に限られていますが、5歳児健診が実施されるようになりました(参考資料3)。大人数での集団検診となる就学時健診に対し、個別や少人数での検診となる5歳児健診は、どのくらい言葉の意味が分かっているのか、指示を理解できているかなどを細かく評価して、子ども一人一人の精神や社会性の発達について確認していくので(参考資料4、5)、子どもの発達の特性を見いだして、発達障害の早期発見と適切なサポートにつなげることが期待できます。政府も5歳児健診を広めるため、申請のあった市区町村に対し、2024年1月から一人あたり3千円の補助を始めました(個別健診は除外)(参考資料6)。
 受診は任意の5歳児健診ですが、子どもの発達特性が早期に分かれば、その子にあった支援が受けられるよう事前に相談し対応することができます。お子さんの発達に気になることがあるなら、6歳になって入学する小学校に楽しく通うことができるよう、5歳児健診を活用なさることをお勧めします。
 5歳児健診の実施率は現時点ではあまり高くなく(2022年度の時点で14.1%:参考資料5)、費用も自治体ごとに異なります(義務化されている乳幼児健診や就学時健診は無料ですが)。お住まいの地域で5歳児健診が行われているかどうかの確認や受診に関する問い合わせの窓口は、保健所や保健センター、健康支援課、子ども支援センターなどです。自治体によって異なるので、広報誌や公式ホームページを参照してください。

 

 

【参考資料】

  • 母子保健法 第12条, https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000141
  • 学校保健安全法, 第4条, https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000174
  • 日本経済新聞(電子版), 2026年1月22日, 東京都練馬区、発達障害支援で5歳児健診 26年秋開始, https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC228CR0S6A120C2000000/
  • 読売新聞(電子版), 2024年6月26日, 5歳児健診って何? 発達障害やゲーム依存症が分かることも…早期支援につながる意義ある健診の普及を, https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20240621-OYTET50000/
  • 読売新聞(電子版), 2025年12月6日, 「5歳児健診」広がる、発達障害を「就学時」より早期に発見…3年後の全自治体実施目指すも医師確保が課題, https://www.yomiuri.co.jp/national/20251216-GYT1T00100/
  • 朝日新聞, 2024年10月11日, 朝刊 東京北部, 大田区が「5歳児健診」 発達障害、早期発見・支援へ/東京都

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