コラム
〈2026/01/05〉
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
幼児のお年玉
神奈川大学 渡部かなえ
神奈川大学産官学連携研究事業
お正月の子どもたちの楽しみの1つ「お年玉」。大人にとっては、あげる場合も、(我が子が)貰う場合も、適当な金額や使いみちなど、新年早々いろいろと思案に暮れてしまうものでもあります。今回は、まだ自分でお金を使うことも管理することもできない幼児のお年玉について考えます。
2022年の調査報告によると(図1)、4~6歳の幼児が貰うお年玉の平均は15451円でした。しかし、金額のばらつきは大きく、無しの子どもが全体の11%いた一方で、35000円以上貰った子どもも全体の9.3%おり、その割合が最も高かったのは4歳男児でした。4歳男児は、実は「(お年玉)無し」の割合も15%と最も高く、同じ年齢・性別の子どもの中で最も「お年玉格差」が大きいのが4歳男児です。

図1:幼児が貰うお年玉の金額(参考資料1)
別の調査(2024年12月実施)によると、3~5歳の幼児が貰うお年玉袋1袋の金額は(図3)、500~千円という回答が25%と最も高かったのですが、次いで高かったのが2000~3000円(20%)で、5000~1万円という子も18%おり、この調査でも、多額のお年玉を貰う幼児の存在や、子どもが一人の大人から貰うお年玉の「単価」にも「格差」があることが分かりました。
図2:子どもが貰うお年玉一袋当たりの金額(参考資料2:抜粋)
小学校以上であればお金の管理や適切な使い方を学ぶ機会にもなりますが、幼児の場合は自身で管理することも使うことも難しく、親が管理する(貯金する・親が子どもに代わって使う)ことがほとんどで(参考資料2)、子育て支援の意味合いが強くなります。それなら、直接保護者に「子どものために使ってください」と言って渡せばよいのではないでしょうか。幼児でも4歳や5歳になれば金額の多寡が分かる子どもが多くなり(あっちのおばあちゃん・おじいちゃんは、こっちのおばあちゃん・おじいちゃんよりたくさんくれた、等)、くれるお金の金額で他者を評価したり差別したりするようになってしまったり、本来は労働の対価として、あるいは物品やサービスを提供することへの対価として支払われる貨幣を「タダでもらえることが当然」のようなメンタリティを育んでしまうことが無いよう、保護者や祖父母などの子どもの周囲の大人は配慮する必要があるのではないでしょうか。
【参考資料】
1. 学習教育総合研究所, 白書シリーズWeb版, 2022年9月調査, 「幼児の日常生活・学習に関する調査」4.日常生活について, お年玉の総額, https://www.gakken.jp/kyouikusouken/whitepaper/k202209/chapter4/08.html
2. いこーよ総研, お年玉の平均額は?子どもの年齢別金額や親世代の悩みも/いこーよ総研ユーザーアンケート, https://research.iko-yo.net/solutions/research/11600.html