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調査研究・コラム

研究データ

〈2020/07/02〉

顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)

【神奈川大学産官学連携研究事業】コロナで子どもにもストレス

新型コロナウイルスの感染拡大は子どもたちの生活や心にも大きな影響を及ぼしています。
国立成育医療研究センター(東京都)が行ったアンケートの保護者の回答から、幼児の生活と心にも深刻な状況が生じていることがわかりました。

まず生活のリズムですが、2歳以上の子どもの半数において、夜寝る時間と朝起きる時間のずれが生じています。

▲図1:2歳以上の子どもの就寝・起床時間のずれ(乳幼児(0~5才)の保護者1,566名からの回答)

 

また体を動かして遊ぶ時間も減少しており、特に3歳以上の子どもにおいては、80%以上で運動時間が減っています。

▲図2:体を動かして遊ぶ時間が以前より減った子ども(乳幼児(0~5才)の保護者1,566名からの回答)

 

さらに、3歳以上の子どもの過半数がイライラしているなど、ストレスで心の状態があまりよくないことが分りました。

▲図3:子どものストレスの状態(乳幼児(3~5才)の保護者928名からの回答)

 

子どもたちも、外で遊べない、家の中ではうるさくしてはいけない、お友達に会えないなどの自粛を強いられ、ストレスにさらされています。少しずつでも元の生活が送れるよう、周囲の大人は配慮すると同時に、子どもの不安な気持ちに寄り添うことが必要です。気になる状態が続く場合は、専門機関や医療機関に相談しましょう。子どもの状態が保護者のストレスを増加させて、子どもを叩く・子どもに感情的に怒鳴るなどの行動をとってしまう恐れがあることも、この調査で指摘されています。

 

【参考資料】
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター, コロナ×子どもアンケート (2020年6月)
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/survey.html#report

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